作家失格

売れる作家を目指す底辺もの書きの愚痴

ホラーのヒットは難しい

ホラー小説はお好きだろうか?
自分は、わざわざ書店で本を買うほど好きではない。
アニメも観ない。マンガも読まない。
映画になって、「カメラを止めるな」のように、世の中で評判になれば注目する程度。
なおかつ、テレビで放映すれば観る程度。
ごくごく、一般的なホラーアンテナだと思う。


そんな私のホラーアンテナに触れたのが、映画『ぼぎわんが、来る』である。
2015年日本ホラー小説大賞受賞作で大絶賛されていたのでその存在は知っていた。
それが、映画化された。


日本ホラー映画の大ヒット作といえば、『リング』シリーズ。
『リング』の映画一作目は1998年。
今年、2018年。
この20年間で小さなヒット作はあるが、いまだにリングを越えるものがない。(日本映画に限る)
誰でも題名を知っていて、どこかで目にしていて、キャラクターを出せば名前も言える日本のホラーは、『リング』の貞子しかないと思っている。


それに匹敵するかもしれない大型ホラーがついに出たらしい。
それが、『ぼぎわん』だ。


なぜこんなにヒットが少ないのかというと、ホラー小説が世に出てこないせいだと思う。


ホラー小説専用レーベルは、Wikipediaによると以下の4つしかないらしい。


・角川ホラー文庫(KADOKAWA)
・幽ブックス(これもKADOKAWAである)
・ハルキ・ホラー文庫(株式会社角川春樹事務所。ある意味、KADOKAWA)
・竹書房ホラー文庫


驚きだ。4つの内、3つがKADOKAWA系だ。


ジャンプホラー小説大賞の「JUMPjBOOKS」、「ケータイ小説文庫野いちご」等、他社でもホラ―は出しているが専用ではない。


知り合いの編集が、ホラーは売れないので出版しないと言い切ったことがあった。
それほど、小説は売れないらしい。(マンガは売れる)


出す前から負け戦では、出版不況の昨今おいそれと手を出せない。
KADOKAWAが3つもレーベルを維持できるのは不思議なくらい。
『リング』の収入で、20年間賄ってきたんじゃないかと勝手に推測する。
大ヒットが出れば、それほど儲かる。
だから、日本ホラー小説大賞はやめないし、『ぼぎわん』に期待が高まる。


そんな中で竹書房は立派である。
ほぼ毎月、ジャパニーズホラー、いわゆる怪談本を出している。
地道な出版を続けてこそ、大ヒット作は出る。出版しなければ、出るわけがないのである。
『ぼぎわん』の大ヒットで、ホラー小説の出版が増えてほしいものだ。

M-1騒動で思うこと

M-1グランプリ2018終了後、芸人が審査員の一人を批判したことで大騒ぎになっている。
このような賞レースは、審査する側される側がテレビによって公開されるというかなり特異な状況であるため、世間の興味も引き、この話題でテレビもニュースもSNSも持ちきりである。


自分の芸は面白い。
他の奴はつまらない。
俺が優勝しないのは審査員が悪い――らしい。


己を客観視できていない。
肥大化した自己称賛が批判の底にあるのだろう。


小説の賞でも同じところがある。
ただし、こちらは公開されないので、どのような審査がなされたかは闇の中であるし、世の中の人にとって興味がないので話題にならない。


――落選者の思うところ。
自分の作品が入賞しないのは、審査員に見る目がないから。
下読みが嫉妬してわざと落としているんだ。
編集が腐っている。


思うのは勝手だ。
酒の席で愚痴るのも勝手だ。
しかし、ネットに書き込むのはやめた方がいい。
悪口はいつか本人が知る。
本人が知れば、誰が書いたかわかる。
本人に直接言わない批判は、批判の形を取ったストレス発散でしかない。
敵を作るだけで何の得にもならない。


時間が経って自作を読み返してみると、「これじゃ落ちるよな」とわかるものである。



作家になった経緯6

退会してからは、好きなように小説を書いた。
どれも公募やランキングに関係のない気楽な作品だ。


ある日、啓示が下りた。
「公募に出してみたらどうだ?」


自信はなかったが、記念のつもりで気楽に新作を出してみた。
閃いてから1週間でかき上げたものだった。
それが入賞してデビューできた。


今になって思うと、FC2での挫折は必要だった。
あそこでランキングを上がっていたら、辞められなかっただろう。
自分への称賛と羨望はぬるま湯だ。そこにずっと浸かっていたくなる。動きたくなくなる。
厳しい環境にいる人間は、動き続ける。
人はそういうものだ。


人気が出なくて良かったと心から思っている。
負け惜しみではない。
自分には小説の才能がないのだと悟ったことで、開き直って自由に書けた。
誰にも読まれなかったから、辛辣な感想もなく、横やりも入らず、心折れることなくあれこれと好き勝手に書くことができた。


小説家を目指してウン十年。いまだ、デビューできず。
そのような人から見ると、「苦労せず、すぐ作家になれたぜ、ウェーイ♪」と自慢しているように思えるかもしれないが、そうではない。
一行目で挫折した自分が本をだしているのだから、人生はどこでどう転ぶかわからないということだ。


終わり。