作家失格

売れる作家を目指す底辺もの書きの愚痴

作家になった経緯6

退会してからは、好きなように小説を書いた。
どれも公募やランキングに関係のない気楽な作品だ。


ある日、啓示が下りた。
「公募に出してみたらどうだ?」


自信はなかったが、記念のつもりで気楽に新作を出してみた。
閃いてから1週間でかき上げたものだった。
それが入賞してデビューできた。


今になって思うと、FC2での挫折は必要だった。
あそこでランキングを上がっていたら、辞められなかっただろう。
自分への称賛と羨望はぬるま湯だ。そこにずっと浸かっていたくなる。動きたくなくなる。
厳しい環境にいる人間は、動き続ける。
人はそういうものだ。


人気が出なくて良かったと心から思っている。
負け惜しみではない。
自分には小説の才能がないのだと悟ったことで、開き直って自由に書けた。
誰にも読まれなかったから、辛辣な感想もなく、横やりも入らず、心折れることなくあれこれと好き勝手に書くことができた。


小説家を目指してウン十年。いまだ、デビューできず。
そのような人から見ると、「苦労せず、すぐ作家になれたぜ、ウェーイ♪」と自慢しているように思えるかもしれないが、そうではない。
一行目で挫折した自分が本をだしているのだから、人生はどこでどう転ぶかわからないということだ。


終わり。